リウマチ
下記のような症状は
ありませんか?
- 階段の上り下りや段差のある部分で、膝が痛む
- 重い物を持つと、手首が痛む
- お風呂に入る際、身体中がズキズキ痛む
- 身体中の痛みで眠れない
- ペットボトルの蓋を開ける際に、手元が痛む
- ドアノブを回そうとすると手首が痛む
- 身体に力が入らない、重い
- 倦怠感や全身のだるさで動きづらい
- 首が張り付いているような感じがする
- 足首がカチカチで、動きづらい
関節リウマチとは
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関節リウマチは、免疫に起きた異常によって、手足などの関節に痛みや腫れが生じる疾患です。状態が悪くなると、軟骨や骨にもダメージがおよび可動が困難になることもあり、生活の質がいちじるしく低下します。
また、手足の関節だけでなく、肺や目にも炎症が起こる症例も見られます。初期には身体のだるさや熱っぽさ、食欲不振などが続き、朝の起床時などに関節のこわばりが出ます。
さらに、指などの小さめの関節から腫れが出るようになり、少しずつ手首や肘、股関節など、より大きい関節にも症状が出るようになります。
なお、「リウマチ熱」と呼ばれる疾患もありますが、これは細菌感染症の一種で、関節リウマチとは無関係です。 -
主な症状
関節リウマチの発症初期には、15分を超える朝の関節のこわばりや関節の痛みが、右側、左側の両方に見られます。これらの腫れや痛みなどの症状は、複数の関節に出現する場合もあれば、手、足、膝など一つの関節で症状が出る場合もあります。
このように、症状の現れ方に患者様ごとの違いがあることも関節リウマチの特徴です。痛みや腫れなどの初期症状が続き、これを放置していると次第に関節の骨もダメージを受けて形状的な変形が起こる例もあります。また、肘などにリウマチ結節ができる場合もありますし、関節以外の部位では、間質性肺炎や消化器官のアミロイドーシスによる下痢、骨粗鬆症なども起こります。さらに、脊椎に環軸関節亜脱臼が起こる場合もあります。 -
原因として考えられていること
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30~50代の女性が多く発症
日本で関節リウマチを発症する患者は毎年15000人ほどもいると言われています。総数としては80~100万人とも考えられており、発症年齢は30~50歳代が顕著です。また、男性に対して女性は4倍程度と女性比率が高いことも知られています。関節のこわばりや痛みがあればわずかでも早めに受診して、重症化を防ぎましょう。
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「サイトカイン」の過剰分泌
免疫異常に関係して炎症性サイトカインという物質が多く分泌されることで身体の炎症が悪化します。炎症性サイトカインには、インターロイキン6やティーエヌエフ・アルファなどの種類があり、近年はそれぞれの炎症性サイトカインをターゲットとする薬剤も開発されています。当院でもこれらの薬剤を用いて炎症の緩和を行っています。
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免疫の異常
人間の体には免疫があり、最近やウイルスなどの害になるものが侵入したときに攻撃する機能を持っています。しかし、この免疫のシステムに何らかの異常が発生すると、自分自身を攻撃してしまうことで、炎症を起こすことがあります。関節リウマチを発症したときに起こる腫れや痛みも、この免疫異常によって引き起こされていると言われています。
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リウマチの検査方法
関節リウマチを診断する際には、レントゲン検査と血液検査を行います。また、診断後には適切な治療を提供するため、さらに検査を実施します。例えば、採決を行って抗リウマチ薬の副作用を確認したり、リウマチの活動性や治療の効果なども検査で確認したりします。定期的な検査で副作用や治療の効果を見て、検討しながら治療を進めます。
リウマチの治療法
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基礎療法
まず患者様に関節リウマチの特徴や治療法を正しく知っていただき、日々の生活を見直すことが基礎となります。そもそも関節リウマチは長く付き合っていく疾患と考えていただき、薬剤に頼るだけでなく、食事の内容や運動、安静などの日常生活に気を配りながら、身体に負荷をかけないように注意することが大切です。
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薬物療法
関節リウマチの治療薬は、抗リウマチ薬と非ステロイド抗炎症薬、ステロイド薬の3種類に大別されます。抗リウマチ薬は関節リウマチによって起こる炎症を抑える薬剤です。抗リウマチ薬の使用でも痛みや腫れが残れば、非ステロイド抗炎症薬を使って症状を緩和します。治療を続ける中で炎症がピークに達した場合は、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)の投与を考えるときもあります。
関節リウマチの症状の現れ方や進行の度合いは個人差が大きいので、それぞれの状態を見ながらその時にあった投薬を行うことが重視されます。 -
リハビリテーション療法
薬剤を使用すると、関節リウマチによる腫れや痛みを抑えることができます。しかし、痛みがあることで関節を使わなくなると、関節のこわばりが悪化するので、リハビリテーション療法の併用も大切です。
ただし、リハビリテーション自体は薬物療法のように、実施してすぐに効果を実感できるものではありません。疾患の進行を防ぎ、関節のこわばりを予防することが目的なので、状態を悪くしないことを目指して継続していくことが重要です。そのため、痛みや腫れが強い日は少なめにして、無理なく長く続けていくことを考えましょう。